ポルトガルと日本 行ったり来たり

ポルトガルに魅了され10年以上。独立してポルトガル製品のインポーターになるほど、ポルトガルが大好きです。

ポルトガル経済 回復の兆し?


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昨日、ポルトガル政府は約3年ぶりに国債入札を再開すると発表しました。
2011年に15%以上あった10年債利回りは、近頃3.6%台まで下がり投資家の注目を集めてます。

そもそも近年のポルトガルの財政の不健全さは、2008年のリーマンショックギリシャ危機を期に浮き彫りとなりました。私も友人が職を失ったり、職を求めて海外へ渡ったりと・・・わりと身近に感じてきたので、こういったニュースは気になってしまいます。

リーマンショックが起こる前、他の国々と同様にポルトガルは巨額の財政赤字をいとわず景気刺激策をとっていました。ちょうどユーロが160円台のころです。経済成長率もプラスで推移してました。


しかしひとたびユーロ圏でのバブルが崩壊すると、同じユーロを使用しているからという安心感でこれまで南欧諸国に投資していたドイツやフランスが急に貸出を縮小したため、短期の貸出のロールオーバーをしようとしていたギリシャポルトガル、スペインなどがたちまち窮地に立たされてしまったのです。特に政府の財政状態は不健全で、ざっくり言うとこれが発端となり、返済不能の危機がヨーロッパ全体の危機となって行きました。

ヨーロッパの経済危機は共通通貨ユーロが問題を複雑にした、ということは今更驚くべきことではありません。 ユーロ圏に入っていなければ、PIIGSと呼ばれてしまった国々はすでに破綻していたかもしれませんし、そもそも巨額の財政赤字になるほど借り入れることもなかったでしょう。

ユーロが導入される前から、共通通貨については問題が指摘されていました。
為替レートの調整機能がなくなったとき、生産性の高い国と同じように、生産性の低い国が成長できるかと言うと、やはりそう上手くいくものではなく、またドイツの賃金や物価が大幅に上がってポルトガルの賃金が下がりバランスがとれるようになったかというと、そんなことも起こりませんでした。

結局、ポルトガル国内の有能な人材は生産性の高い国に流れ、2005年の東欧諸国加盟による安い労働がEUに入り込み、ポルトガルは経済的停滞に苦しむことになったのです。

それがここにきて、やっと明るいニュースがちらほらと聞こえるようになってきました。
昨年の成長率も+0.6% と、長い間のマイナス成長から抜け出そうとしています。
今年5月中旬にこれまで受けていた金融支援の期限を迎えます。少し前までは、さらなる支援が必要かと示唆されていましたが、現在はポルトガルアイルランドのように支援から脱却できるだろうという見方が強まってきています。

ただ、ポルトガルのみなさん!! 油断は本当に大敵です
私は彼らの陽気さが大好きですが、それとこれは別ものですよ~

ポルトガルは巨額投資のお陰もありインフラが整っていますが、労働生産性は高いとは言えず、経済体質の改善が急務となります。またアフリカ・ポルトガル公用語アフリカ諸国やブラジルとの対外政策に力を入れ、偏ったEU依存からも脱却しなければいけません。不安定な政治も問題です・・・。

と、ここまで長々とつづってしまいましたが、
それでも私はポルトガルはまだまだ面白いことをしてくれると考えてます。
問題がない国なんてないですからね。
人も国も、良いところを存分に伸ばしていけば、まだまだ成長の余地はあるものです♪











写真はアリアードシュ広場(自由広場)を見下ろすポルト市庁舎