星の山脈チーズ
日本では美味しいものってどこでもいつでも味わえますが、
やっぱり季節のものが一番美味しいと思いませんか。
ぽかぽか陽気の春先に是非食べたいものがあるんです。
それはずばりチーズ!
それも牛ではなく、山羊や羊のミルクから作られるチーズです!
山羊や羊は春先に出産するため、この時期だけ原料であるミルクが採れます。
その採りたてミルクで作ったチーズが、春先から初夏にかけて市場に出てくるというわけです。
実はポルトガルにも最高級と言われる羊のチーズがあります。
それがケージョ セラ ダ エストレイラ queijo Serra da Estrela です。
ケイジョがポルトガル語でチーズ、
セラ ダ エストレイラはポルトガルで最も標高の高い山脈で、
直訳すると「星の山脈」という意味。ちょっと可愛いですね。
そんな地域で昔ながらの、しかもポルトガル独特な製法で作られているチーズなんです。
レシピはなんと2,000年(!)以上続いてるという説もあります。
お味の方はと言いますと、熟成が若いうちは酸味がありますが、
成熟してくるとそれはそれは深いコクのあるクリーミーな濃厚チーズとなります。
パンやラスクと一緒に食べても美味しいですが、カステラの元祖と言われる ポルトガルのpão-de-lóと食べたらもうたまらない。
この美味しさを是非日本のみなさんにも味わってもらいたいのですが、日本で販売しているとこを見たことがありません。。
色々聞いたところによると、このチーズは伝統的な手法で家族経営の酪農工場が生産しているようですが、 段々と生産者の高齢化が進み、世代交代が上手くいってないとのこと。
そのため生産量も減り輸出することも難しくなってきてるようです。
そもそも日本で輸入チーズっていうと高いイメージがありませんか?
ヨーロッパに行ったことがある方は、チーズが安いと感じたことはありませんか?
チーズは繊細なため、輸入の際の輸送に手間と費用がかかります。
でもそれ以上に輸入の際に高い税率(なんと35%~40%)がかけられています。
もちろん国内の乳製品業界を保護するためなのですが・・・
日本は今EUともFTAを始め関税に関する様々な交渉をしています。
チーズもワイン同様に検討候補に入っています。 先日第5回交渉会合が終了したばかりですが、是非その後の動きに期待したいです。
生産量が減り希少なポルトガルのチーズ。
関税率引き下げによって日本のチーズ輸入量が増え、ポルトガルチーズ生産の活性化につながる日が来れば・・・なんて思う今日この頃です。
写真は、星の山脈 Serra da Estrela